ドキュメントスキャナーとは?種類、選び方をプロが解説!

ドキュメントスキャナーとは?

執務室や工場、自宅まで、あらゆる所に浸透しているスキャナー。この10年程度で本の「自炊」や紙文書の「ペーパーレス化」が一般的になったことや、技術革新により高機能・低価格化が進んだことにより、かつて特定の場所でなければ出来なかったスキャニング作業は非常に身近なものになりました。

今回は、主に紙文書の電子化に使われるドキュメントスキャナーについてその種類、選び方について解説していきます

⇨【関連記事】スキャナーの種類を紹介!それぞれの特徴、選び方、注意点とは?

ドキュメントスキャナーとは?

ドキュメントスキャナー」に明確な定義はありません。例えばスキャナーの中には絵画専用のスキャナーや立体物のデジタル化が出来る3Dスキャナーなどが存在しますが、こうした特殊な対象物でない限りは「ドキュメントスキャナー」として括られる傾向にあります

概ね、皆さんの身近にある本や書類などの資料のスキャニングに使われるスキャナーを「ドキュメントスキャナー」と呼んで差し支えないでしょう。

ドキュメントスキャナーの種類

とはいえ、一口にドキュメントスキャナーと言っても様々な種類があり、機能や対象資料、扱う上での注意点は大きく異なります。各ドキュメントスキャナーそれぞれの特徴を見ていきましょう。

シートフィード型スキャナー

ADF

シートフィード型スキャナーは、ドキュメントスキャナーの中でも最も一般的なタイプのスキャナーです。「自動スキャナー」や「ADF(自動給紙装置)」とも呼ばれる通り、今回紹介するスキャナーの中では唯一”ページ流し”が自動で行われるのが特徴。

一度に数十枚以上の紙文書をセットし、スイッチを押せば大量の紙文書を電子化することが出来ます。また基本的にはコンパクトでデスクの上に設置することが出来るので、日常的にA4〜A3サイズ程度の資料をスキャンするニーズが発生するオフィス、スペースに余裕がないテレワーク中の自宅でも使うことが可能です。

注意点としては、自動スキャナーゆえ異物が混入するとスキャニングが止まり、最悪部品の故障に至る恐れもあることが挙げられます。例えば書類を留めているホチキスの針を取り忘れていたりすると、機材の内部で部品と衝突し破損することもあるため、取り扱いにはある程度注意が必要です。

フラットベッド型スキャナー

フラットベッド型スキャナー

フラッドベッド型スキャナーは、文字通り原稿台が平面になっているスキャナー。「手置きスキャナー」と呼ぶこともあります。

前述のシートフィード型は高速での自動スキャニングが出来る点は魅力的ですが、劣化して脆くなっている資料や貴重資料には向いていません。構造上、資料をローラーで巻き取り高速で排出することになるため、紙詰まりや
資料の破損が起こる恐れもあります。

フラッドベッド型が向いているのは、むしろそうしたマニュアルでの作業が求められる資料の電子化。基本的には1ページずつ、原稿台にページを載せてスキャンすることになるため、時間と手間はかかりますが、その分丁寧に電子化することが出来ます

オーバーヘッド型スキャナー

オーバーヘッド型スキャナー

オーバーヘッド型スキャナーは、原稿台に置いた資料を頭上に設置された読み取り口から撮影するタイプのスキャナーです。

オーバーヘッド型は、先述のフラットベッド型同様「非破壊スキャナー」というタイプにもカテゴライズされます。破壊という言葉が示す通り、これら2つのスキャナーは書籍や冊子類など製本された資料を”裁断せずに”電子化することが可能なスキャナーです。ただしフラットベッド型はページを読み取り面に押さなければならないという点で、やや資料への負荷が発生します。

オーバーヘッド型はそもそも資料に触れる必要がありません。機種によっては書籍のページの見開き状態をキープするため、軽いアクリル板を上から載せるものもありますが、極めて軽量で原本への接触は最小限で済みます。このように、製本された資料を電子化する上でオーバーヘッド型は非常に適しています。

注意点としては、読み取り部分が接触しないゆえ”ピンぼけ”が発生しやすいことが挙げられます。また機種にも寄りますが、A4サイズ対応で見た場合はシートフィード型やフラットベッド型に比べ、値段が高い傾向にあります。

ハンディスキャナー

ハンディスキャナーは、片手で持てるほど小さなサイズが特徴のスキャナーです。あまり業務用で使われることが無く、どちらかといえば写真や年賀状の電子化など個人の用途で活用されることの多いタイプのスキャナーです。

何と言っても、これまでのスキャナーと違ってPCが不要であることが大きなメリット。一般的には内部のmicroSDカードで保存することが出来るので、そのコンパクトさも相まって場所を選ばずスキャン出来ます。最近ではOCRソフトが搭載された機種も登場しているほか、解像度も他のタイプに劣らない高い画質を可能にしており、コンパクトながら高機能化が進んでいます。

注意点はその特殊なスキャニング方法です。原稿の端から端まで、スキャナーを一定の速度を保ったままスライドさせる必要があり、速さが不安定だったり手元がブレたりするとスキャン画像に大きな影響が出ます。また1ページ・1枚ずつ手作業でスキャンする点はフラットベッド型と同じですが、より時間がかかります。

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ドキュメントスキャナーの選び方

以上を踏まえた上で、ドキュメントスキャナーの選び方を解説していきましょう。

対象資料は何か?

まず、対象資料・原稿が何なのかを確認しなければなりません。スキャンしたいのは書類か、書籍か、フィルムなどの特殊な資料か?最もスキャンする可能性の高い、または量の多い資料が何なのかを明確にしましょう。もちろん対応サイズも必須のチェック項目になります。

また先述したように、最もポピュラーなシートフィード型はA4文書に対応可能ですが、A4サイズでも破れていたり添付物が貼り付けられている資料は故障の原因になります。同じサイズの書類でも、例えば付箋やホチキス止めを外したくない、という場合はフラットベッド型など別のタイプを選ぶ必要があります。

一概にドキュメント=紙文書なら大丈夫、と思わず、手元の資料の状態を確認して機材選びをしましょう。

スキャンの目的は何か?

そのままスキャン」でもお客様へ必ず確認させていただいているのが『スキャン後の使用目的は何か?』です。目的に応じて設定する解像度が異なるためです。

例えば、スキャンした資料にOCR処理を施したい、スキャンした後に紙として印刷出力したい場合、文字がハッキリ写る600dpi以上が推奨されます。逆にただ単にPDFとして保存出来れば良い、というケースでは300dpiでも十分です。

スキャナーによって最大解像度が異なるので、スキャナーを選ぶ際には電子化の目的、電子化した後のデータの用途を確認し、それに最適な解像度はいくつなのかを調べることをオススメします。ただしOCR処理や印刷、PCでの使用など、おおよそ業務で発生する目的であれば「600dpi」で十分でしょう。

さらにクオリティを求める場合は1200dpi以上の、また解像度だけでなく”質感”の追求まで出来る機能が搭載されたスキャナーも、それぞれ販売されています。

欲しい機能は何か?

現在のスキャナーは単なる電子化だけでなく、スキャニングやデータのクオリティを上げる様々なオプション機能が搭載されています

代表的なのはOCR処理。スキャンした文書に記載されているテキスト情報を読み取り、文書内の検索やWorddファイル等への変換が出来るようになります。スキャナーによっては多言語対応している機種もあるので、OCR機能の搭載されたスキャナーがあったら是非、チェックしてみてください。

その他にもスキャン画像を美麗にしてくれる白色処理、スキャン時の原稿の傾きを修正してくれる傾き補正、スキャンした面の裏側の写り込みを除去する裏面除去機能など、あると便利な機能が沢山あります。もちろん本来の目的に必要なスペックから大きく逸脱したオーバースペックなスキャナーを購入する必要はありませんが、現場でどのような使い方が出来るかシミュレーションしてみるのも良いでしょう。

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スキャナー選びで失敗しないようにしよう

世の中には「ドキュメントスキャナー」としてカテゴライズされているスキャナーが無数に存在しますが、「ドキュメント」と付いている=紙文書のスキャンなら何でも対応出来る、という訳ではありません。ご予算に加え、スキャンの目的、対応サイズ、対応解像度、欲しい機能など考慮すべき点がいくつかあるので、まずはその洗い出しをした上で購入を検討されることをオススメします。

また今回はドキュメントスキャナーのみの紹介でしたが、スキャナーにはアート専用、フィルム専用、大判図面専用など様々な種類があり、毎年新しいモデルがリリースされています。そうした特殊なスキャナーを見てみるのも面白いかも知れません。

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