出張スキャンとは?通常のスキャン代行と比べたメリットや注意点を解説

出張スキャンとは?

スキャン代行サービスを利用する場合、業者へ対象資料を送付→そのままスキャンしてもらう、という方法が一般的です。

ですが一部では、対象資料の保管されている書庫やオフィスへ出向きその場で電子化してくれる出張スキャンというサービスもあります。

今回は出張スキャンとは何なのか、そのメリットやデメリット、費用感について解説したいと思います

出張スキャンとは?

出張スキャンとは、文字通りスキャン業者にオフィスまで出向いてもらい、資料が保管されているその場でスキャンすることを指します。現場でスキャンする、という意味合いから「オンサイト」と呼ばれることもあります。

出張スキャンではスキャナーをはじめとした電子化用の機器はもちろん、PCなどの周辺機器も持ち込みがされます。その為事前に作業スペースの確認が必須となっており、通常のスキャン代行と大きく異なる理由の一つです。

出張スキャンのメリット

そんな出張スキャンですが、資料を送ってスキャンするタイプの方法と比べるとメリット・デメリットがあります。

資料を送る手間が省ける

資料の搬入

一つ目のメリットは、業者へ大量の資料を送る手間とコストが省けるということです。

後述するように、出張スキャンを検討するケースは予算規模が大きくなりがちです。その為大量の資料を業者へ送るとなると輸送費だけでもかなりの金額になってしまいます。

その点出張スキャンは、資料が保管されている場所に業者が出向いてくれるためそのコストを省くことができます。また輸送に当たっては文書箱や段ボールの整理も行わなければなりませんが、出張スキャンではその必要もありません。

目の前で作業してくれる

通常のスキャン代行では、実際に業者がどのような作業を行なっているのか、資料をどう扱っているのか等を現地で見ることが出来ません。特に貴重資料のスキャンをお願いしている場合は不安な場合もあるでしょう。

出張スキャンでは、実際に業者が目の前でスキャン作業をしてくれます。その為作業についてリアルタイムで質問や指摘をすることが可能で、結果的に依頼側の大きな安心感に繋がります。

セキュリティ面で安心出来る

安心のセキュリティ

しかしなんと言っても、一番の理由はセキュリティ上の懸念を解消できることでしょう。

出張スキャンの需要の多くは、実は外部への持ち出しが難しい機密資料や頻繁な参照が必要なタイプの資料にとって特に有益です。スキャン代行の多くはISMSやPマークなどの認証取得を所有していますが、そもそも社内規定で持ち出しが禁止されている資料を電子化するプロジェクトでは出張スキャンが前提になることが多いのです。

どれだけセキュリティが万全だと謳っていても、また事前に業者の作業場を見学することが出来たとしても、自社内に出向いてくれる出張スキャンの方が確実に資料を守ることが出来ます

出張スキャンのデメリット

以上が出張スキャンのメリットです。ではデメリットは何が考えられるでしょうか。

費用が高額になりがち

見積もり金額のイメージ

出張スキャンは専門のチームが出向いて作業を行うため、スキャン費用以外に出張費がかかります。これには交通費、宿泊費などが含まれまるため、特に業者の所在地から離れた遠隔地への出張の場合はコストが増加します。

出張スキャンの料金は、いずれの業者でもあまり明確に書かれていないと思います。これはプロジェクトや出張先の所在地によって大きく変動するためで、基本的には『都度、見積もり依頼をしなければ金額感はわからない』と考えておいた方が良いでしょう。

スペースが必要

出張スキャンの場合、スキャニングの作業をするためのスペースや設備が必要です。少なくともスキャナーとPC、またそれらを操作する作業員が座るためのスペースは最低限必要で、これは発注者側で用意する必要があります。

大変なのは大規模なプロジェクトや大きなスキャナー(大判図面などのスキャン)を使用する場合で、複数の作業員・スキャナーを、あるいは業務用の大型のスキャナーを配置するための場所が必要となります。この場合は事前に業者へ現地まで赴いてもらい、実際に設営可能なスペースがあるか、他に準備するものは無いかを確認してもらうのがベターです。

スケジュールの制約がある

プロジェクトのスケジュール表

これは通常のスキャン代行にも共通することですが、発注者側のスケジュール、業者のスケジュールそれぞれを擦り合わせる必要のある出張スキャンはより日程に制約が出ます。当然、事前予約必須です。

予約必須のため、通常のスキャン代行のように特急での作業依頼や当日のデータ納品といったイレギュラー対応は難しくなります

出張スキャンの料金は?

考えている女性

通常のスキャン代行の料金を見ると「●●円〜」と幅があることが分かると思います。これは原本の状況や納期、ページ数等によってある程度変動するためですが、出張スキャンは更に出張先の地域、機材の搬入数、人員数といった要素がプラスされるため、更に事前の把握が難しくなります。

よって、出張スキャンの料金は「都度、見積もりを出してもらう」のが良いと言えるでしょう。おおよその予算感を把握したい方は一度、業者へ相談してみることをオススメします。

出張スキャンが向いているケース

最後に出張スキャンが向いているケースをご紹介しましょう。先述したように出張スキャンにはデメリットもあり、通常のスキャン代行に比べると実施数は少ないものの、出張スキャンを実施すべき場合はあります。

①機密書類のスキャン

安心のセキュリティ

出企業が機密性の高いデータや資料を取り扱っており、それらを外部に持ち出すことが難しい場合は出張スキャンが非常に有効です。

機密性の高い資料をスキャン業者のオフィスに預けるのは様々なリスクがあります。発送前の整理における紛失、輸送中の事故や損傷リスク、そして業者先での不慮の事故や取り扱い、持ち出しや不法侵入など色々懸念点が出てしまいます。出張スキャンはそもそも資料を社内から動かす必要がないため、機密事項の漏洩リスクは相対的に低くなると言えます。

②医療カルテのスキャン

医療カルテ

クリニックや病院で保管されているカルテも出張スキャニングに向いています。カルテ=個人情報というのも理由の一つですが、カルテは日常的に使用する資料のため業者へ送付してしまうと参照したい時に出来ない、というのも通常のスキャン代行のデメリット。

ただし、カルテの電子化には法的義務や厚労省が定めるガイドラインに準ずる必要があります。スキャンすればOK、という訳ではないのでご注意を。

③美術品のスキャン

アートスキャナー

かなり特殊なケースにはなりますが、美術館や博物館などで美術品をスキャンする場合にも出張スキャンが活用されます

美術品のスキャナーは通常の資料電子化で使われるものに比べ、はるかに大型です。そのため部品を分解した状態で館内に持ち込み、その場で組み立て→スキャニングという手法を使えば大きな美術品も持ち出さずに電子が出来るのです。これまで紹介した出張スキャンのケースよりは、むしろカメラマンの派遣に近い近いかも知れません。

出張スキャンはメリットがたくさん

今回は出張スキャンについて解説しました。費用やスケジュールの制約などデメリットもありますが、導入するシーンを選べば通常のスキャン代行よりもスムーズに電子化することが出来ます。

セキュリティ上の懸念や資料持ち出しに関する規定がある場合は、是非出張スキャンを検討してみてください。

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