品質の良いスキャン業者を見つけるには?
スキャン業者のHPを見ると、「dpi」「テキスト化」「ベリファイ」など見慣れない言葉が登場します。スキャンのお問合せを検討する方はHP上の説明を見て判断するかと思いますが、HPだけの情報では、実は必要な情報が足りていません。
例えばdpiという電子化の解像度を表す単位ですが、400dpiと600dpiに明確な違いはありません。補足すると、普通のPC画面ではスペックの限界から違いがあまり分かりません。ましてpngやjpegなど圧縮した形式でアップロードすれば、プラットフォームの仕様と相まってダウンコンバートされ、元々の解像度の重要性が低くなってしまいます。
またスキャンデータの修正作業でも、厳密に『直径〇㎝以上の穴があると修正不可』『書籍へ〇㎏の負荷をかけてノド元を読み取れるなら電子化OK』などという明確な基準を作るのは困難で、実際に資料の状況によって適切な仕様は違ってきます。
仕組み上仕方ないものですが、情報だけで自分の書籍を電子化出来る・出来ないを完璧に判断するのは不可能なのです。その場合どうすれば良いでしょうか?
①電話して聞いてみる
気になったスキャン業者がいたら、ますは電話をしてみましょう。そして自分の書籍の情報や納期、HPを見ていて気になったことをとにかく質問してみましょう。
電話に出る担当者が必ずしもスキャニングを行っている者とは限りません。しかし専門性の高い業者であれば、例え窓口でも電子化に関するあらゆる知識・ノウハウを持っていますからあなたの色んな疑問点に対する見解を示してくれるはずです。
最低限相手にお伝えする情報として「ページ数とサイズ」「レイアウト(複雑な図表や特殊なページがあるか。うまく説明出来なくてもOK)」「状態と希望する電子化の方法(裁断出来る書籍か?痛みはどれくらいあるか?等)」を簡単にご準備いただければ十分です。もちろん分からなくても構いません。
ちなみにdpiの値は電子化の用途によって変わってくるので、データの使い道を伝えれば適切な解像度を提案することが出来ます。しかし偏に使い道と言っても千差万別ですから、予め埋め込まれたホームページよりは人に相談した方が早く、確実です。
お問合せフォームやメールの方が良いという方も多いかと思いますが、電子化のことがまるで分からず、聞きたいことが山ほどあるという方は先にお電話されることをオススメ致します。
とはいえいくら業者でも、資料の状態を直に見なければ正確な答えを出すことは難しいのが現実です。より確実に慎重に、という方は次のステップに進みましょう。
②サンプルで電子化してもらう
『実際にデータを見なければ信用できない』という方は、若干時間はかかりますがサンプルデータを作成してもらうという方法があります。
業者によって違いはありますが、大まかな手順としては
- 資料を業者に送る(一冊でOK)
- 中から数ページを希望の解像度で電子化してもらう
- データ上にて送ってもらい、手元のデバイスで出来を確認
- 正式に発注するかを検討
という流れになります。
メリットとしては、HPでも、またお電話でも中々イメージのつかない電子化のクオリティを実際に確認できること、サンプルなので無料(※ページ数や書籍によっては有料のケースもあります)であるなどが挙げられます。
デメリットとして、直ぐにでも電子化して欲しい方には少しお待たせすることになると思います。といっても1週間や1ヵ月かかることは通常無いため、不安な方は一度サンプルを見せて貰えばより確実です。
※上記はそのままスキャンの場合であり、他社では大きく異なる場合、またはサンプル制度自体が無い場合もありますのでご注意ください。
確実な電子化を求めるなら
HP上の情報は自ずと限界があるため、まずはお問合せをしてみることが大切です。
特に数量の大きなスキャニングの依頼を考えている場合、テキスト化などスキャニング以外の工程が発生し得る場合は早めに連絡するのが良いでしょう。お問合せ後実際にスキャニングの現場を見学できたり、先述したスキャンサンプルを見ることが出来るため、完成イメージををグッと具体化させることが可能です。
「たかがデータ化、スキャニング」と考えていると想定外のトラブルに見舞われることもあります。発注前の比較は必ず行うことをオススメします。
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