電子化代行とそのままスキャンの違い

2018.04.17

以前お話した自炊代行との違いに引き続き、今回は電子化代行とそのままスキャンの違いについて解説してみます。

<そのままスキャンHP
そのままスキャンへ

電子化代行が選ばれる理由

電子化代行への疑問

そもそも電子化代行とは何で、何故依頼する方がいらっしゃるのでしょうか。

代行ビジネス』は近年話題の副業タイプのようですね。有名どころで言えば家事代行(いわゆる家政婦)、買い物代行、運転代行(東京では地方ほど見ませんね)など皆さんご存知だと思います。2017年の夏ごろ、遊び盛りの子供にとっては神様にも等しい『宿題代行』なんてサービスも話題になりました。

こうして挙げてみると分かるように、代行ビジネスは本来自分でやるような事を誰かに任せたい、そういったニーズから生まれた業種であることが伺えます。ちなみに上に挙げた代行ビジネスはコンシューマー向けばかりですが、今日B to Bでも代行に委託するのが当たり前なのは言うまでもありませんよね。

そうすると保育園もそうですね。自分でお子さんの面倒を見ることは不可能ではないものの、諸々考量してその道のプロフェッショナルに任せた方がメリットが大きいからご依頼されるんだと思います。

ここで改めて電子化代行を見てみましょう。『電子化』については様々な捉え方がありますが、ここでは『紙媒体をデジタライズすること』として狭義には定義できます。紙媒体とはそのままスキャンや同業他社さんが扱っているように文庫本・文書・漫画・雑誌・資料・図表と様々です。そして『代行』は上でお話した様に、その作業を外部の者が行うことを意味します。

さて『代行』は保育園の例で触れたように、得手不得手はあるものの自分でやることが不可能ではありません。これは電子化代行も同じです。

電子化代行やスキャン代行を担う会社では、帳票や名刺、はがきといった紙一枚一枚を電子化するサービスを提供しています。しかし少しでも複合機やスキャナーを触ったことのある方ならご存知のように、これらは決して難しい作業ではありません。現在では原則違法とされている漫画の自炊代行も、自分でやろうと思えば1万円前後のスキャナーで裁断せずに電子化することも出来ます。

では何故わざわざ委託するのか?というと、極端に言えば時間や人件費が勿体ないからですね。もちろんプロに任せた方がずっと良い品質で電子化出来るというメリットは大いにあるものの、スキャナー買って、綺麗にスキャニングする方法調べて…なんていちいち社内でやってられませんから一義的にはこのように考えられると思います。

(かなり悪意を持って)換言すれば、電子化代行は『その道のプロフェッショナルに任せれば確実だが、自分たちで出来なくもないこと』とも言えないでしょうか。

そのままスキャンとの違いは?

そのままスキャンも電子化代行にカテゴライズされます。紙媒体をデジタライズする行為を、持ち主であるお客様の代わりに実施しています。

しかし以下3点が一般的な『電子化代行』とは大きく異なると考えています。

①スキャナーが違う

様々な非破壊スキャナー

そのままスキャンで非破壊スキャニングに使っているのは、この記事冒頭の写真にあるような大型のスキャナーなどです。

例えば帯を裁断してもいい電子化なら、ADFと呼ばれる高速スキャニングが出来るデバイスで簡単に出来ます。値段もそれほど高くありませんし、実際多くの電子化代行業ではこのスキャナーを用いてローコスト&ハイスピードなスキャニングを実現しています(そのままスキャンでも使うことがあります)。

一方でこの大型スキャナー、見ていただければ何となく想像がつくと思いますが扱いに慣れや知識が必要です。また場所もかなり取りまして、少なくとも一人暮らしのアパートには絶対置けない程の幅があります。例えが適切か分かりませんが、一般家庭のキッチンにマグロを保管する為の業務用大型冷蔵庫を置くようなものです(因みに2019年3月現在、日本に2台しかありません)。

ただしその分高品質なスキャンデータを作成することが出来ますし、何より裁断する必要が無いので原本が一冊しか無かったり壊したくないというお客様にはお喜びいただきます。ただ、これを自分で全部やるのは物理的にもスキル的にも現実的ではありませんので、単なる『代行』とは違ってこないでしょうか?

②扱う書籍が違う

貴重書

ここまでして裁断せずに電子化したいのは、とにかく書籍が貴重な一方、劣化しているから。これについてはこちらの記事にて詳しく解説しております。

③電子化して終わり、ではない

データの活用

百歩譲ってここまで大きなスキャナーを購入し、世界に一冊しかないような貴重書籍を自分で電子化出来たとしましょう。それを丸々代わりに実施したら確かに単なる『電子化』の『代行』になります。

しかしそのままスキャンではここで終わりません。電子化と言ってもこの時点では画像データ、そのままお手持ちのデバイスで閲覧することは出来ますが、もし影が入ってしまったら?明るさの関係で色調が狂っていたら?または、画像に写っている文字『だけ』をコピーしたくなったら?

ここまで来ると単なる電子化ではどうにも出来ません。電子化したデータを様々な形で最適化するフェーズが必要になってきます。

Photoshopで色調補正したり、OCRソフトや校正作業でテキストデータを抽出したりといった作業はスキャニング以上に専門的な作業です。もちろん電子化代行業の会社さんでもこういった作業はありますが、弊社ほど細かい所まで手を付けてる所は無いんじゃないかと…この辺りは話し出すときりが無いので割愛させていただきます。

まとめ:代行とそのままスキャンは棲み分け

安心できるサービスを

以上、独断と偏見で『いくら自分で電子化したいと言っても、流石にここまでは出来ないでしょう?』という観点からそのままスキャンと電子化代行の違いをお話してみました。

代行サービスは何であれ、どれだけ提供するコンテンツに付加価値(=クライアントが自分では出来ない事)を載せられるかが重要なポイントだと思いますが、そのままスキャンが目指しているのは『自分でやるより綺麗に出来そうだから』という程度ではなく『どう考えてもおたくにしか出来ないからお任せする!』と言われるくらいに唯一無二のデジタルアーカイブを作り上げることです。

誤解の無いように言わせていただくと、この辺りはニーズ次第ですのでそのままスキャンのサービスが他の電子化代行の上位互換的なサービスだとは言いません。例えば即日納品は弊社では出来かねますが、当日持ち込んでその場でスキャンしデータを納品、というサービスは決して少なくありません。また電子化代行に留まらず、自炊用のスキャンを『修理』してくれる会社さんもあります。これについても弊社は受け付けていませんし、今のところ参入するつもりもありません。

ただそういった意味でも他がやっていない、出来ない電子化とデジタルアーカイブを実現することが私たちの重要な使命だと考えています。一般的な電子化代行のニーズが沢山あるように、より貴重書籍保存やアーカイブ構築にシフトしたサービスを求めている方もまたいらっしゃいますので、代行とは違ったベクトルでサービスを展開していければと思います。

貴重書籍を傷つけずに電子化するサービス

  1. 専用の非破壊スキャナーで傷つけずにスキャニング
  2. 書籍ほか図面、絵画、契約書、ガラス乾板まで対応可能
  3. 公共機関や大学様の実績多数
  4. スピーディな作業で急ぎの電子化もOK

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