民間企業の人手不足と司書・学芸員有資格者の就業難を同時解決 「ミスマッチを起こさない」教育の在り方について講演

株式会社誠勝は、けいはんなオープンイノベーションセンターにて開催された「けいはんなビジネスメッセ」にて、司書・学芸員有資格者の「図書館・博物館以外」の就業可能性をテーマとした産学連携教育などを展示。同社取締役・上級デジタルアーキビストの寳德真大が同内容の講演を実施した。 

▲デジタルアーカイブ利活用によるエンゲージメント向上事例を説明する寳德氏(取締役・上級デジタルアーキビスト)

「けいはんなビジネスメッセ2024」は公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構が主催し、主に中小・ベンチャー・スタートアップ企業や、実用化が期待される最先端の技術(研究シーズ)を持つ大学・研究機関などが出展する展示会。2024年は「大阪・関西万博」前年であり、注目を集めている。

同社は「民間企業の人手不足」と「司書・学芸員有資格者の専門性を生かした就業難」の2つの課題に着目し、司書・学芸員有資格者にとって「図書館・博物館」が就業先である必要は必ずしもなく、史資料に触れられる機会がある点が重要である点を強調。人手不足に悩む民間企業にとって、「司書・学芸員有資格者」を活かせる可能性がある点や、ミスマッチを起こさない教育のポイントとして「デジタルアーカイブの利活用」を取り上げ、その事例について紹介した。

約70年ぶりに改正された博物館法が2023年4月1日に施行された後、文化庁の「第5期博物館部会」での議論を経て、博物館内外の別に囚われない、デジタルアーカイブに関する専門人材の育成が国の社会課題として俎上に載せられており、民間企業においても専門人材育成が急務となっている。

同社は「デジタルアーカイブ利活用のロールモデルを作り、民間企業においても司書・学芸員有資格者が活躍できる土壌を作っていきたい」としている。


▲寳德氏(取締役・上級デジタルアーキビスト)の講演の様子