「2024アーカイブズ上海フォーラム」が上海大学で開催 ~アーカイブズキャリアが新たな生産性の発展を後押し~


デジタルアーカイブについては世界各国で日々活発な議論が行われています。
そんな事例の一つとして、中国の上海大学でのデジタルアーカイブをテーマとして開催されたフォーラムについての記事を紹介します。

「2024アーカイブズ上海フォーラム」が上海大学で開催

2024年に上海大学で開催された「公文書館と建設」フォーラムは、中国公文書館学会、上海大学文化財情報管理学院、上海大学公文書館キャリア開発研究センターの指導の下、アーカイブズの質の高い発展を促進するための重要なイベントである。このフォーラムは、上海大学の100周年を記念し、アーカイブズ分野の革新と発展を探る目的で開催された。

フォーラムには、上海大学党委員会副書記の段勇氏、中国アーカイブズ学会副会長兼秘書長の鄧暁軍氏、中国アーカイブズ学会副秘書長兼『アーカイブズ研究』編集長の劉峰氏など、多くの指導者や専門家が出席しました。山東省、河南省、四川省の公文書館の館長や教授、学者たちが「公文書は生産性、革新と発展の新しい質に力を与える」というテーマで特別な学術報告を行い、アーカイブズのデジタル化や知能化、革新の必要性が強調された。

本フォーラムでは、以下のテーマについて議論がなされた

  1. デジタル・インテリジェンス時代のアーカイブズ:情報技術の急速な発展がアーカイブズ業務に与える影響や、デジタルデータのアーカイブ、インテリジェントなトレンドが重要視されている。デジタル・インテリジェンス化により、アーカイブズの効率性と価値が大幅に向上することが期待される。
  2. 公文書館の機能強化と革新:習近平総書記の指示に基づき、公文書館の機能の強化や、貧困緩和、疫病予防、生態保護といった社会的課題への対応が求められている。河南省公文書館の取り組みなど、具体的な成果と実践が紹介された。
  3. 国際的な経験と国内の実践:国外の公文書館や保存センターの成功事例が紹介され、中国国内のアーカイブズ業務にどう適用できるかが議論された。特に、フランス国立図書館の古文書保護の成功事例などが取り上げられた。
  4. AIとマルチモーダル技術の活用:AI技術の進化がアーカイブズ業務にどのように貢献できるかが探求された。特に、著名人アーカイブの長期保存における生成AIの応用と、デジタルフィルムの利用が提案された。
  5. 革新的な公文書館サービス:新質生産性を背景に、アーカイブ文化の革新的発展が議論され、科学技術の革新が新たなアーカイブサービスの提供に繋がるとされた。技術と人文学を融合させた新しいサービスの構築が求められている。

フォーラムでは、理論と実践の深い議論が行われ、アーカイブズ業務のデジタル化と知能化に向けた道筋が示された。専門家たちは、アーカイブズの役割を強化し、現代化の建設に寄与するための具体的な方法を提案した。また、フォーラムの成功を受けて、上海大学は引き続きアーカイブズ学の発展に貢献し、2025年のフォーラムの開催を見据えた協力を呼びかけた。

参考URL

档案事业赋能新质生产力发展!“2024档案学上海论坛”在上海大学举办(上海大学, 2024/9/2)
https://www.shu.edu.cn/info/1056/352605.htm