SDGsとは?企業が取り組む必要性と事例も紹介

SDGsとは?

SDGsは聞いたことはあるけど「実際のところよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか?

しかし、現代のビジネスシーンにおいてSDGsはワールドスタンダードと言われるほど当たり前のことであり、これからの時代には欠かせないキーワードでもあります。

そんなSDGsについて、この記事では以下について解説します。

  • SDGsについて
  • 企業が取り組む必要性・メリット
  • 取り組みの事例

SDGsを理解することで、「自社の立ち位置」「取り組むべき課題」のヒントを得られるはずです。この記事を読みながら考えてみてください。

SDGsとは?

SDGsとは2030年までに、よりよい社会をつくるため、世界の全ての人々が取り組む国際目標です。

正式名称は「Sustainable Development Goals」で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳します。

円形のレインボーカラーが印象的な「SDGsカラーホイール」をロゴマークとしており、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

まずはSDGsの基本情報について解説していきます。

背景・経緯

SDGsは2015年アメリカ・ニューヨークにある国連本部で開催された国連サミットにて、193の加盟国の全会一致により採択されました。

2001〜2015年までは「MDGs(ミレニアム開発目標)」が策定されており、SDGsは前述の後継でもあります。

MDGsは極度の貧困や飢餓の撲滅・ジェンダー平等・環境問題など8つの目標を掲げていましたが、SDGsでは経済成長・働き方なども加わり、全17の目標を世界全体の課題としています

17の目標

SDGsのイメージ

SDGsが掲げる17の目標は「(地球上の)誰一人取り残さない / leave no one behind」という誓いの元、構成されています。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と構成をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

17の目標と共に構成されている【169のターゲット・232の指標】は総務省の指標仮訳からご確認できます。

日本の現状

国連内の組織「SDSN」が発表しているSDGsの達成状況を分析した世界ランキングにおいて、日本は2021年時点で18位に位置しています。

日本の歴代順位を以下にまとめました。

順位
201513
201618
201711
201815
201915
202017
202118

過去最高順位である2017年の11位から、年々ランクを下げている状況です。

2021年の評価では以下5つが減点評価となりました。

  • 目標5「ジェンダ平等を実現しよう」
  • 目標13「気候変動具体的な対策を」
  • 目標14「海の豊かさを守ろう」
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」
  • 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

総合評価得点は年々あがっていますが、他国に抜き去られている状況から、他国がSDGsの取り組みに積極的であることが伺えます。

企業が取り組む重要性・メリット

企業のビル群

近年では、多くの企業がSDGs実現のために取り組んでおり、自社ホームページに掲載・ロゴマークのバッジを着用をしている方も増えています

しかし、「SDGsに取り組むことで会社の売上って良くなるの?」とお思いの方もいるのではないでしょうか。実際のところ、中長期的な視点でみると経済価値は十分にあります。

ここからは企業がSDGsに取り組むことの重要性とメリットについて解説します。

ビジネスモデルの変化に対応

世界中の様々な企業がてがけるサービスは既存のままではなく、SDGsの考えを組み込んだ形態への変化・アップデートが求められています

SDGsに関わる市場規模は非常に大きく、2017年にスイスで行われた世界経済フォーラムでは「SDGsが達成されると世界全体で12兆ドル(約1340兆円)の経済効果と、3.8億人の雇用を創出することが示唆される」と発表され話題になりました。

近年でビジネスモデルが変化した参考事例を以下にてご紹介します。

  • インターネットの普及により、映像コンテンツもDVDの販売・レンタルが減少し、VOD配信による利用者が増加
  • 書籍もデータ化が進み、電子書籍やオーディオコンテンツが登場
  • 自動車も電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)が普及
  • メールでのやり取りが減少し、Slack,Discordなどのチャットツール利用が増加
  • 社内、個人でもデータ共有のためにクラウドサービスの需要が拡大
  • 現金、クレジットカード以外にもPayPayなどのQRコード・バーコード決算サービスが普及

直近でこれだけの変化がありました。SDGsを除いても、いつの時代も変化は激しく、柔軟な対応力が常に求められています。今の自社商品や経営指針にSDGsの考えを加え、時代に合ったサービスへとアップデートしましょう。

気候変動など環境問題の改善

干ばつのイメージ

世界では気候変動をはじめとする様々な環境問題により、多くの被害が発生しています。

  • 山火事
  • 異常気象の発生
  • 農作物の不作
  • 台風の高潮による浸水被害
  • 生態系の変化
  • 平均気温の変化

製造による温室効果ガスの発生・廃棄物の増加による環境汚染など原因は様々ですが、これらの問題を放置していては人間が住むことすら困難な世界になってしまいます。

だからこそ、世界中の企業がSDGsに取り組み、ビジネス形態の変化が重要視されている訳です。

SDGsは企業内全体で行うことなので、数日で取り組める環境構築はできませんが、すぐに取り組める行動を以下にてご紹介します。

  • 会議資料やカタログなど余計な印刷物を減らしてデータ共有
  • 書類(契約書・カルテ・論文)や書籍(古書・社内報)などのデータ化
  • テレワークの導入による移動時間の削減と育児・介護環境の構築
  • ITツールやクラウドサービスの利用で情報共有を強化
  • 資料のアウトソーシングで作業効率化を図る など

まずはじめに企業が行いやすい取り組みが「ペーパーレス化」です。印刷と配布の手間、共有スピードの遅さ、紙とインクコスト、プリンター代と維持費などのデメリットを払拭することから始めてみてはいかがでしょうか。

ペーパーレス化をワンストップで実現

  1. クラウドサインオフィシャルパートナー
  2. 最大60%オフのディスカウントあり
  3. 製本契約書、大判資料も電子化OK
  4. データ入力作業まで丸ごとおまかせ

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イメージアップ!企業価値の向上

エシカル商品

目標12『つくる責任 つかう責任』にあるように消費者も「使う商品はできるだけ社会や環境に配慮したモノを使いたい」という『エシカル消費』のニーズが増えてきているため、SDGsに取り組むことで企業のイメージアップ効果が期待できます

株式会社インテージリサーチが2020年に行った「論理的消費(エシカル消費)に関する消費者意識調査報告書」によると、「エシカル消費につながる商品・サービスを購入したことがありますか。また、今後も購入したいと思いますか」という問いに対し「これまで購入したことがあり、今後も購入したい」という回答が2016年は28.4%でしたが、2019年では35.5%に増加したと調査報告がされました。

今後ますますのニーズの増加が予想されることから、イメージアップにも大きく貢献することが期待されています

また、イメージアップのメリットはそれだけではありません。働きやすい労働環境・社会への取り組みをしている企業は「優秀な若い人材」の獲得にも繋がります。

企業が生存し続けるためにも、取り組みへの積極性を外部にもアピールしていきましょう。

ESG評価が良くなることで資金調達が有利になる

ESGのイメージ

皆さんはESGという言葉をご存知でしょうか?

ESGとは3つの単語の頭文字から作られた言葉です。

  • E・・・環境(Environment)
  • S・・・社会(Social)
  • G・・・ガバナンス (Governance)

環境は、温室効果ガス・廃棄物・排水の削減や再生可能エネルギーの活用に貢献してるのか。社会は、平等で健康に働ける労働環境の整備・自社商品が社会的にどう影響しているのか。ガバナンスは、不正や不祥事がなく法令遵守された経営がされているのか。

上記3点に対する取り組みが明確で透明性がある企業は、金融機関や投資家から融資を受けやすいとされています。

その理由は、2つあります。

1つ目は、持続可能な経営戦略により、中長期的に見ると成長する可能性が高いから。2つ目は、社会的な危機にも株価が落ちにくい傾向にあるから。

事実、外資系資産運用会社「フィデリティ投信」の調査によると、SDGsに取り組む企業の株価はコロナなど社会的な危機にも強いという報告がされています(参考)。

最近では、国内大手の機関投資家である「日本生命保険相互会社」が21年4月より、全ての投資・融資の判断基準にESGを導入し始めました。

ESG評価は上場企業だけに該当するものではなく、中小企業においても銀行の融資やクラウドファンディングによる資金調達においても有利とされています。持続可能な事業を成功させるためにも、SDGsを理解し、自社の具体的な課題を明確にしましょう。

SDGsの事例

SDGsに取り組む企業の事例を5つご紹介します。

モノづくりに変革 / トヨタの事例

トヨタのイメージ

日本を代表する企業であるトヨタは『自動車を作る会社』から、移動に関わるあらゆるサービスを提供する『モビリティ・カンパニー』へのモデルチェンジの一環としてSDGsに積極的に取り組んでいます

現在、世界全体の自動車業界は『CASE(2016年にダイムラー社(独)が提唱したConnected(連携)・Autonomous / Automated(自動化)・Shared(共有)・Electric(電動化)の頭文字から生まれた中長期的経営戦略)』と呼ばれる技術革新の時を迎えており、トヨタのさらなる進化に注目が集まっています。

取り組んでいる事例は以下の通りです。

  • 交通事故0に向けた安心、安全な技術開発
  • 気候変動対応と新エネルギーの利用、電動化、水素活用
  • 業種を超えたパートナーシップによるシステム開発 など

健康な仕事環境を構築 / 旭化成の事例

繊維・化学・住宅・医療など多くの事業を行う日本の大手総合化学メーカーである旭化成。サランラップやジップロック、ヘーベルハウスと聞くと耳馴染みがある方も多いのではないでしょうか。

旭化成は「世界の人びとの”いのち”と”くらし”に貢献します」をグループ理念に掲げ、2019年より中長期的な計画として『Cs+(シーズプラス) for Tomorrow 2021』を発表。自社グループ内に「サステナビリティ推進委員会」を設置し、課題解決に取り組んでいます

取り組んでいる事例は以下の通りです。

  • 産休、育休、介護など休暇制度が整った働きやすい職場づくり
  • ベテラン社員の技術を次世代へつなぐため、定年退職者の再雇用
  • 商品製造時に発生する温室効果ガスの削減、水や大地の汚染防止

達成率世界1位 / フィンランドの事例

フィンランドのイメージ

SDSNのランキングで常に上位をマークしていたフィンランドが2021年に初めて1位を獲得しました。

国土の70%が森に覆われた自然豊かなフィンランドは幸福度ランキングも4年連続で世界1位を獲得している国です
2児の母である「サンナ・マリン」が第46代首相を務め、国をあげてSDGsの達成のため積極的に取り組んでいます。

取り組んでいる事例は以下の通りです。

  • 基本税率は24%だが、福祉、医療、教育は税金から賄える環境の構築
  • 自然エネルギーを積極的に採用し、CO2の削減に貢献
  • 陶器メーカーの「ittala」は工場内の廃ガラスを利用した100%再生ガラス製タンブラーの販売を開始。天然資源とエネルギーの削減に成功
  • 国内エレクトロニクス大手「ノキア」は管理職の25%に女性を採用することを掲げている。計画より遅れは出ているが、2020時点では15.3%まで達成

プラスチック削減 / スターバックスの事例

スターバックスのイメージ

スターバックスは全世界で30,000店舗、国内では1655店舗を展開するカフェチェーン大手企業。「サードプレイス」を提唱し、1杯のコーヒーを通して様々なライフスタイルの提案・提供をしてきました。2020年1月に発表した「リソースポジティブカンパニー」実現のため、数多くの取り組みに挑戦しています。

取り組んでいる事例は以下の通りです。

  • アイスドリンクを紙コップで提供し、ストロー不要のリッドを採用。年間6,100万杯分のプラスチック削減を目指す
  • リユースアイテムの展開による、プラスチック削減
  • 全店舗でプラスチックストローから紙ストローに移行し、年間約2億本の削減を目指す

ネットワークで世界を支援 / シスコシステムズの事例

世界最大のネットワーク機器会社であるシスコシステムズ。ルーターやビデオ会議のツール、情報セキュリティなどネットワークサービスに長けた企業です。同社は2020年9月に「2040年までに温室効果ガス排出量0」を宣言
取り組んでいる事例は以下の通りです。

  • 2022年度までに社内の使用電力の85%を自然エネルギーから作り出す
  • テクノロジー技術の繁栄のため教育に尽力し、CiscoNetworkingAcademyの生徒数は2020年までに年間200万人以上に到達
  • 農家の貧困問題解決のため、Digital Greenと共にアプリケーション「LOOP」を開発。農家の総所得の17%向上に貢献

まとめ

SDGsは法律ではないので、取り組まないからと罰金も発生しませんが、より良い社会を作るためには世界全体で取り組むべき重要な課題です。

企業においては生存戦略の1つとしても重要視されています。

「SDGsに取り組まない企業とは取引をしない。商品を買わない」「ESGの考えに反する行為をしている企業には投資をしない」という声も実際にあがっているほどです。

今一度、17の目標を見ながら「私の働く会社はSDGsに取り組めているだろうか」「何が課題で、どんなことができるだろうか」を考えてみてください。

達成を目指す2030年まで残すところ9年を切りましたが、今からでも遅くはありません。SDGsを理解し、できることから始めて行きましょう。

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