DTPとは?紙の状態から編集可能にする方法を紹介!

DTPとは

求人情報で目にする「DTPデザイナー」とか「DTPオペレーター」といった職種ですが、どんなことをするのかご存知ですか?DTPが出版の一種であるとわかっていても、具体的にどのような出版形態を表しているのか、どういったことができるのか、知らない人も多いのではないでしょうか。しかし、DTPは非常に画期的な技術であり、更に言えば『紙の電子化』にも密接に関わってくるものでもあります。

そのままスキャンでも、スキャンした書籍を最終的にDTPとして使いたいというお客様からお問合せいただくことがあります。そしてそれは必ずしも出版や印刷に関わる方、とは限りません。

そこで今回は、このDTPを取り上げて、DTPの意味やDTPに関連してどんな仕事があるのか、DTPでできることは何なのかなどについて紹介していきたいと思います

DTPとは?

まずはじめに、DTPの辞書的な意味、DTPのメリット、DTPに関わる仕事について順番に解説していきます。

意味

DTPの意味

DTPとは、「Desktop Publishing(デスクトップパブリッシング)」を省略した言葉です。読んで字の如く「机の上でコンピューターを使って行う出版」という意味を表していて、日本語では「机上出版」または「卓上出版」と呼ばれています。

平凡社の「百科事典マイペディア」では、DTPについて、

「desktop publishingの略で,コンピューターによる編集システムのこと。原稿の編集,レイアウト,版下作成,製版,印刷まですべてを机上で行う。DTPソフトを導入したパーソナルコンピューターとプリンターを使って,早さと安さを売りものにしている。企業内文書やミニコミ誌などで主流になった。近年では商業出版においても,版下作成または製版までをDTPで行うケースも増えている。」

と解説しています。

これを見てもわかるように、今まで出版社や印刷会社で行ってきた出版という作業を、デスクの上でコンピューターとプリンターを操作して完結させることを可能にしたのが、このDTPだと言えます。

DTPが普及したメリットとは?

編集者

では、このDTPが普及したことでどのようなメリットが得られるようになったのでしょう。

労力・時間・コストの削減

ひと昔前までは、出版は、出版会社における原稿の編集・デザインワーク・校正(校閲)、印刷会社における組版・版下・製版・刷版といった工程を経て、印刷~製本という流れで行われていました。そこには、編集者、装丁デザイナーやイラストレーター、校正・校閲者のほかに、組版・版下・製版・刷版に携わる技術専門職人など、多くの人の手がかけられていました。それだけ出版には労力・時間・コストがかかっていたということです。

しかし、近年、このDTPが導入されるようになって、それらの労力・時間・コストが大幅に削減されるようになりました。なぜならば、DTPによって、出版という作業を個人でも行うことができるようになったためです。

小学館の「日本大百科全書(ニッポニカ)」では、

「机上型の電子編集システム。デスクトップ・パブリッシングdesktop publishingの略称。デスク上で原稿作成から編集、レイアウト、製版、コピーが行えるパソコン・システムまたは小型ワークステーションをいう。一般の印刷物と同程度の仕上がりのものができる。レイアウトされた紙面は、印刷出力するか電子メディアに記録する。従来、出版社と印刷所で行っていた作業が、個人またはオフィスレベルで行えるため、利用価値は大きい。」

と解説されています。

DTPでは、テキストだけでなく表やグラフもキーボードで入力することができます。写真や絵もコンピューターに取り込み、自在に縮小・拡大をして好きな位置に挿入することもできます。文字のフォントや図表の形式も豊富に揃えられていて、ページのレイアウトを思い通りに行うこともできます。

このようにDTPによって、今まで専門業者や技術専門職人の手を借りて行ってきた出版という作業が、デスクの上でコンピューターを使って、しかも個人ベースで完結させることができるような作業に変わったということです。

つまり、DTPが普及したことで得られるメリットとは、今までかかっていた多くの人の手や工程を減らすことで労力と時間、そしてコストが大幅に削減されるということだと言えます

修正が容易

校正・校閲によって修正が必要になったり、写真や図表の差し替えが発生した場合、従来の出版形態だと、再び組版から作業を起こす必要がありましたが、DTPはコンピューターでデータ化しているため、修正を簡単に行うことができます

データを二次利用することが可能

出版のコンテンツは、紙ベースではなくデータ化されているので、保存しておけばいつでもそのフォーマットやレイアウトなどを他の目的で二次利用したり、そのフォーマットやレイアウトをベースに手を加えて、目的に応じたバージョンを作成することができます。

この点に着目したのが、『そのままテキスト化』で記念誌をDTPデータに変換した株式会社宇野澤組鐵工所様でした。元々紙の原本だった出版物をあえてDTPデータとして保存することで、将来中身を編集し新しい冊子として編纂出来るとお考えになり、原本のデータ化に踏み切っています(詳しい事例紹介はこちら)。

DTPにデメリットはあるの?

デメリット

出版というものを卓上レベルにしてくれたDPTですが、デメリットはあるのでしょうか。

操作できるようになるまで時間がかかる

コンピューターでDTPを実践するには、目的に応じたDTPソフトをインストールする必要があります。そして、優れたコンテンツを作成するためには、そのソフトをフルに活用して微妙な調整などをスムーズに行うことができるようにならなくてはなりません。

今まで仕事でコンピューターは問題なく使いこなせていたとしても、新しいソフトの操作をマスターするにはそれなりの学習とOJT(On-The-Job Training)が必要です。つまり、使い方を学習しても、実際に実務で身につけていく期間が必要だということです。そうなると、マニュアルを読んで使い方を学ぶ時間に加え、実践において、失敗してやり直すといった時間が発生するため、最初のうちは作業効率が低下し、生産性が落ちてしまいます

バージョンアップのコスト

DTPソフトは、頻繁に改良されバージョンアップされます。その都度、新しいバージョンをインストールする必要はないかもしれませんが、それなりの優れたコンテンツを目指そうとすると、どうしても新しい機能を入手したくなるものです。コストパフォーマンスを考慮しながらバージョンアップをしていかないと、DTPのインストールで期待していたコスト削減が実現されなくなる恐れもあります。

文字入力といった余分な作業が発生する

原稿を読み込むためにはOCR処理が必要になります。それがなければ、直接原稿を打ち込んで入力していかなければなりません。1~2ページくらいならば問題はないかもしれませんが、数十ページまたはそれ以上のボリュームのテキストを入力するとなると相当な時間がかかります

OCRソフトがある場合でも、OCRが誤認識していないか、読み取ったデータの確認作業が必要となります。ことに手書き原稿の場合はOCRソフトで読み取れない文字などもあるため、突合せ(校正)の作業は欠かせません。商業用の出版物ならなおさら慎重な校正作業が必要になります。

このように、文字入力や確認といった余分な作業が発生し、それにかかる時間によっては生産性が低くなるという恐れもあります。

DTPを使った職業

DTPデザイナー

DTPに関係する職業と言えば、DTPデザイナーDTPオペレーターがあります。これらは実際にどういった内容の仕事をする職種なのでしょう。

DTPを導入したことで、出版が卓上出版というレベルで個人でもできるようになったということですが、それでもやはりこういったDTPを使った専門職が必要なのでしょうか。

以下ではその理由も含めて、DTPデザイナーとDTPオペレーターがどういった仕事なのか、説明します

DTPデザイナー

DTPデザイナーが行う仕事は、基本的には、従来の出版作業におけるデザインワークの工程で行われるものと同じです。つまり、ページのレイアウトを決めてDTPソフトで原案を作成するという仕事です。具体的には、原稿の内容に合わせて、字詰めやフォントを決めたり、イラスト、写真、図表、注釈などをどこに入れるかを決めたります。

書籍の場合は、表紙や裏表紙、扉、カバーや帯など、本の装丁の仕事も含まれます。これからもわかるように、このDTPデザイナーの仕事は専門的な知識や実績を要します。

DTPを導入したことで、出版におけるすべての作業をひとりでできるようになったとはいえ、こうしたデザインワークは、デザインの素人がいろいろと迷ったり悩んだりしながら行うよりも、専門家が行った方が、より美しく洗練されたレイアウトの紙面が、より早く出来上ります。そういった意味からも、ほとんどの会社では、デザインワークの工程はDTPデザイナーに任せているようです。

DTPオペレーター

DTPオペレーターの仕事は、DTPデザイナーがデザインした紙面の原案を、DTPソフトを使って、印刷できるデータにするというものです。

デザイナーの指示通りに作業するだけでなく、DTP特有のルールなど、DTPの操作に関して十二分な知識を備えていることが求められます。DTPオペレーターの仕事は、実際には、DTPデザイナーが兼任する場合が多くあります。DTPデザイナーは、DTPソフトの操作などもマスターしているため、DTPオペレーターの仕事もカバーすることは可能です。

反対に、DTPオペレーターは、デザインワークの知識がないため、DTPデザイナーの仕事を兼ねることは難しいと言えるでしょう。

主要なDTPソフト

一口にDTPソフトといっても、どういったものを使用すればいいか、そのソフトの内容がわからなければ選択に迷います。以下では、代表的なDTPソフトを取り上げて、概要やそのソフトで作成できるものについて説明します。

QuarkXPress

QuarkXPressのイメージ

アメリカのQuark社が販売しているDTPソフト。1990年代は業界で圧倒的な支持を得ており、業界における「デファクトスタンダード(事実上の標準)」と言われていましたが、2001年に発表されたMac OS Xへの対応が遅れたことで、その地位をAdobe InDesignに奪われて現在に至っています。

パンフレット、雑誌、書籍、カタログ、新聞などの作成に実力を発揮してきましたが、最近のバージョンでは、ウェブページや電子書籍に主眼を置いた内容になっていて、バナー広告やランディングページ、マイクロサイトなどの作成に有効利用できると言われています

Adobe InDesign

InDesign

アメリカのAdobe社の製品で、今や業界シェアナンバー1のDTPソフトです。レイアウトや文字組など非常に細かい設定ができるという特徴をもつソフトで、チラシやパンフレット、雑誌や書籍、カタログやリーフレットなどを作成することができます

ことに、何枚ものページから成り組版を必要とする雑誌や書籍などを作成する際に便利に利用することができるソフトです。

Adobe Illustrator

Illustrator

こちらもアメリカのAdobe社の製品で、イラストを描くための使いやすいツールと豊富なテンプレートが人気のソフトです。1枚もののチラシやポスター、地図やグラフなどの作成に利用できます。

Adobe Photoshop

Photoshop

こちらもアメリカのAdobe社の製品で、画像処理用のソフトです。印刷物に貼り付けるイラストや写真などの画像を加工するために利用されます。このソフトでも、1枚もののチラシやポスターやハガキなどを作成することができます。

パーソナル編集長

日本のソースネクスト社の製品で、BCN AWARD DTPソフト部門で最優秀賞を9年連続受賞したソフトです。本格的な新聞やチラシ・冊子を作成するための豊富なサンプルやテンプレートを搭載していて、横組みだけでなく縦組みの文字組も美しく作成できることを売りにしています。

学級新聞やコミュニティー誌などに特化されているソフトですが、段組みのテンプレートが用意されているために、小説の同人誌などにも利用されています。

ラベルマイティー

日本のジャストシステム社の製品で、ラベル作成ソフトです。ラベル以外のものにも応用できるテンプレートは豊富に用意されていますが、そのテンプレート以外のものは作成できないようです。

iWork

アメリカのApple社の製品で、Apple社のオフィススイート。MacOSおよびiOS搭載機器に最初から入っているソフトです。厳密にはDTPであるとは言えませんが、DTPの代用として十分に利用することができます。「Pages(文書作成)」、「Numbers(表計算)」、「Keynote(プレゼンテーション)」の3つがあり、いずれも画像や図表などを取り込み、1枚もののチラシや電子書籍などを作成することが可能です。

Microsoft Office

MOS

アメリカのMicrosoft社のオフィススイートです。「Microsoft Word(文書)」、「Microsoft Excel(表計算)」、「Microsoft PowerPoint(プレゼンテーション)」、「Microsoft Publisher(簡易DTP)」の4つがあります。このうち、DTPとしての機能をもつものはMicrosoft Publisherだけですが、他のものもDTPの代用として利用することが可能です。チラシ、ハガキ、ニュースレターなどを作成することができます。

Just Office

日本のジャストシステム社の製品、「一太郎」や「花子」もDTPとして利用されることがあります。ワープロソフトの「一太郎」は日本語の組版機能が優れていることから、小説の同人誌の制作に利用されています。デザインソフトの「花子」はプリントの作成に学校などで利用されているようです。

紙しか残っていない刊行物をDTPで再編集するには

本棚

元データがない紙ベースの資料や書籍の場合、もう一度DTPによって刊行するには、まず、残っている紙ベースの資料や書籍(原本と呼ぶ)の内容を読み取ってデータ化しなければなりません

紙→データまでの手順

どのようにしてデータ化するかというと、通常は、スキャナーにかけて文書を読み取り、それを今度はOCRソフトを使ってテキスト化します。数枚の資料であればそれほど難しくありませんが、先述したようにこれが何十枚または何百枚に及ぶ資料だったり、1冊の書籍となると大変な作業量になります。

テキスト化されたデータの後処理も発生します。最近のOCRの文字認識率はよくなっているとはいえ、100%ではありません。やはり誤認識は生じます。それを原本と突き合わせて見つけ出すのは人間の仕事になります。つまり校正を行わなければならないということです。

また、書籍などのようにほとんどが文字で書かれた文書ではなく、例えば新聞や雑誌など、ページが複数の段にブロック分けされて、画像や図表がところどころに挿入されているといったレイアウトを使った文書の場合は、校正だけでなく、原本に沿ってレイアウトしなおすといった作業も必要になってきます

もうひとつ重大な問題があります。原本が書籍の場合、従来のスキャナーだと読み取る際に、裁断してバラバラの状態にしなければならない、ということです。原本が1冊しか残っていない場合などは、裁断は避けたい問題です。

『そのままテキスト化』でDTPデータを作成

まとめ

このようにまとまった量の紙ベースの文書をDTPで編集するとなると、膨大な労力と時間が必要となって、生産性が著しく低下すると考えられます。また、再編集となると、レイアウトなどのデザインワークも発生するために、それなりの専門家の手を借りる必要が生じます。

こういったことを考えると、紙ベースの文書をテキスト化してくれる代行業者に依頼するのが賢明です。

そのままテキスト化は、「スタッフ3人+システムによる文字校正+プロ校正者の校正作業」を取り入れることで、最高で99.99%以上の高精度のテキスト化を提供するサービスです。DTP用のデータの作成実績も数多く持っており、公開している事例としては先ほど紹介した株式会社宇野澤組鐵工所様の記念誌をInDesignデータとして作成させていただきました。

しかもスキャニングには非破壊スキャナーを採用しているので、貴重な原本でも電子化の為に裁断する必要がありません。詳しくは「そのままテキスト化」をご覧ください。

まとめ

まとめ

ひと昔前まで印刷や出版というと、次元の違う世界のすごい仕事のように感じていた人も多かったのではないでしょうか。それが今では、DTPの普及によって、コンピューターさえあれば、個人レベルでも、いろいろなものを印刷したり刊行したりすることができるようになりました。

従来の出版の工程のうち、最も目に見えにくくて具体的にイメージできないのが、出版会社におけるデザインワークと印刷会社における組版・版下・製版・刷版といった工程でした。それがDTPソフトを使って実際に自分でやってみることで理解できるようになるというのは楽しいものです。

そして作成したDTPデータは様々な用途に使うことが出来ます。DTPをマスターしていないとしても、『こういうことが出来る』ということを知っておくだけで可能性は大きく広がります。皆さんの業務にもぜひ活かしてみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です