属人化とは?デメリットばかりじゃないって本当?

属人化とは?

属人化とは企業活動を行う上で避けるべき厄介なものです。できる限り排除していった方が良い属人化ですが、悪い点だけではなく、良い点も存在するのをご存知ですか?

ここでは属人化の問題点から良い方向に働く事例や属人化の防ぎ方などを説明します。また後半では、資料を電子化したことで属人化の脱却に成功した企業の事例も紹介致します。

属人化とは?

属人化とはどのような状態を指す言葉なのでしょうか?ここでは属人化の意味から発生原因、メリット・デメリットを説明します。

属人化の意味

属人化とは

属人化とは、業務を特定の限定された人のみが担当して、その人達にしかやり方がわからない状態になっていることを意味します。属人化している業務は大抵マニュアルが整備されていないため、知識の共有がされておらず、担当者がいないと仕事が進められなくなるといった致命的な欠点を抱えています。

基本的に属人化とは批判的な意味合いで使われる言葉であり、肯定的に使われることはまずありません。

標準化とマニュアル化とは

マニュアル

属人化と対をなす言葉が標準化マニュアル化です。標準化とマニュアル化とは、仕事の進め方をマニュアルなどで可視化して共有することによって対象となる業務を特定の誰かに依存せずに遂行できる状態にすることを指します。

標準化とマニュアル化を行うことによって、以下3つのメリットを獲得できます。

一定の品質を担保できる

マニュアルなどで業務内容を共有することで、誰でも該当の業務を行えるようにすることにより複数人でサービスや商品の品質チェックが可能になるため、一定の品質を担保できるようになります。

作業内容をテンプレート化して効率的に行える

標準化やマニュアル化することによって、作業手順をテンプレート化できるため、作業担当者は共有された方法にそって仕事を進めるだけでよくなります。
作業の進め方を考える必要がないため時間を短縮でき、無駄な思考力を使わなくてよいため、作業の効率化につながります。

誰でも担当できる

標準化とマニュアル化によって得られる最大の恩恵は特定の個人に依存せず、誰でも業務を行えることです。例えば担当者がインフルエンザで数日間欠勤しなればならなくなっても標準化やマニュアル化されていれば、ほかの社員が欠勤した担当者が行っていた業務を代わりに担当することで仕事を回していくことが可能です。

また、業務の担当者が固定されないため、人員配置を自由に行えるようになり、企業活動を柔軟に行っていくことができる点も利点といえるでしょう。

属人化が発生する原因

従業員

属人化の発生原因は企業の体制や環境によってさまざまです。ここでは、属人化が発生する代表的な原因を紹介します。

レベルの高い仕事のために任せられる人がいない

高度な技術を必要とする業務の場合、ほかの人員が担当者の技術レベルに追いついていないため、任せることができないという場合があります。

特に専門的な知識が必要となる業務で発生しやすい属人化の原因であり、仕事ができる社員に牽引されて運営しているような比較的社員の少ない企業で起こりがちです。

自分を守るためにわざと属人化させる

属人化することで業務を独り占めすることができるため、社員が社内で自分の立場を守るために意図的に属人化してしまう場合があります。

一般化・マニュアル化することによって誰でも行えてしまうと立場が危ういと考える危機感が属人化を生む原因にもなるため、社員のマネジメントやメンタルケアも属人化を発生させないために必要な要素となるでしょう。

忙しくて標準化・マニュアル化の準備ができない

業務が忙しいとマニュアルを作ってマニュアル化することができずに属人化してしまう場合があります。
忙しい業務に仕事を教えることが苦手な担当者がつくことによって、標準化したくてもできずに属人化してしまうケースも存在するため、管理職が標準化を先導するなどの努力が必要になります。

属人化を防止する意識がない

特に中小・零細企業などは、業務を個人に依存する傾向があるために属人化が日常であり、属人化という概念自体がない場合があります。

属人化によって起こる悪影響

属人化によって引き起こされるデメリットはさまざまなものがあり、業務に大きく悪影響を及ぼしかねません。ここでは属人化によって起こる悪影響の一部を説明します。

業務が滞るリスクが発生する

業務の遅延

属人化が発生している業務は担当者が不在だと仕事が回らなくなってしまい、業務が滞ってしまいます

例えば営業で属人化が起きている場合は、顧客の管理を担当者のみで行っているケースが多く、顧客から連絡がきても対応できない可能性があるため、顧客の不満を募らせてしまう可能性があります。

特に担当者が病気や怪我で1週間以上入院の必要があり、まったく出社できない状況になった……なんて想像しただけでゾッとしますね。

また、担当者が退職することになったら大急ぎで無理やり引き継ぎを行わなくてはならないため、十分な情報を渡せる保証がありません。

ミスに気付かず、業務品質を担保できない

ミス

属人化していると担当者は特定の人物だけになってしまうため、公平な目で品質を管理することができません。特に担当者が一人だけで業務を回している場合は、主観の混じった個人チェックのみになるためミスを犯していても気づくことが難しい場合があります。

また、属人化している業務を担当している社員の上司は進捗を十分に管理することができず、作業内部がブロックボックス化しているため仮に担当者がウソをついてもわからないため、大きな問題に転じるリスクを抱えている危険な状態にあるといえるでしょう。

休むことが難しい

負担

業務が属人化してしまうと、企業だけではなく社員にも負担が発生します。それは休めないということ。自分だけしか属人化している作業が行えないため、有給休暇はもちろん体調不良でも休みにくくなります。また、「自分しかできない」というプレッシャーが担当者の精神面を苦しめるため、貴重な社員をつぶしてしまう危険性もあります。

情報を共有できる相手がいないということは社員の心身も蝕むのです。

属人化のすべてが悪いわけではない

属人化は悪い点が目立ちますが、何もかも全てが悪ではありません。属人化しているからこそ得られるメリットも存在しており、標準化やマニュアル化してしまうことによってメリットを潰してしまうこともあります。

ここでは属人化における代表的なメリットを説明します。

個人のモチベーションを向上させる

やる気

属人化は個人に属することでモチベーションの向上に役立てることができます。

【事例】
小規模なシステム開発を行なっているソフトハウスでは、新人に一人でシステムの設計・開発を任せることがありますが、「裁量権のある仕事を任せてもらえた」という事実が本人のモチベーションを高めることになり、エンジニアとしての成長を促します

個人の成長の機会になる

チーム

属人化している業務は、担当者一人で考えて仕事を回していかなくてはなりません。そのため、チームで業務を行うよりも多方面に能力を成長させることが可能です。

【事例】
WEB制作会社など制作関係の仕事にしている人に起こりうる出来事のひとつに一人プロジェクトがあります。これは一人で営業活動を行って仕事を取り、一人で制作を行うというものですが、自分以外に頼れるものがない以上、営業術や制作スキルを磨かざるを得なくなるため、仕事内容はハードですがマルチなスキルを身につけることができます。

企業として信頼感を得られる

信頼

属人化は個人にメリットがあるだけではなく、企業にも恩恵があります。それは取引先などから「あの人に頼めば問題ないはずだ」という担当者に対しての信頼感を得やすいことです。

【事例】
属人化している営業担当者が商品を購入してくれた顧客に手厚いアフターフォローや親切な対応を行ったところ、顧客が担当者に対して好印象を抱いてくれたことにより、同業他社の商品より自社商品を優先して継続購入してくれるようになりました。

業務効率が良い

スペシャリスト

業務が属人化することによって、担当者は該当する業務について多くの知識と技術をつけることにより、スペシャリスト化します。

【事例】
今まで属人化していた業務を標準化して他の社員も行えるようにしましたが、もともと担当していた社員が作業を行ったほうが多くの知識と技術を蓄積している関係上、短時間で効率よく業務をこなせました。

メリットはあるが常に引き継ぎを考慮すること

引き継ぎ

属人化するメリットは魅力的なものがありますが、担当者が今後も同じ業務を行える保証はどこにもなく、むしろ怪我や病気で抜けた時のリスクの方が危険であるといえるでしょう

そのため、常に引き継ぎを考慮して情報の蓄積は忘れずに行うようにして、メモに記載しておくようにすべきでしょう。

属人化を防ぐには

厄介な属人化を防ぐためにはどのような方法をとるべきなのでしょうか?ここでは属人化の防ぎ方について説明します。

定期的に業務担当者を入れ替える

担当者の交代

一定周期で業務の担当者を入れ替えることによって、属人化させないようにします。ローテーションさせていくことによって、業務知識を持った社員が複数人出てくるため、担当者が急な体調不良などで欠勤することになっても業務知識を持ったほかの社員が代理で入れるため、仕事をストップさせることなくスムーズに継続することができます。

業務を見える化してブラックボックスを取り除く

業務の見える化

属人化が起こってしまう原因は担当者しか業務に関わらなくなり、作業内容がブラックボックス化してしまうからです。そのため、業務フローを明確にして作業内容を「見える化」する必要があります。

見える化するためには、業務フローを簡易的なマニュアルで良いので資料化するのがベター

マニュアルにする際はExcelなど有料ソフトで作るのではなく、誰でも閲覧でき、編集可能なように基幹システムを社内で採用している場合は社内wiki、採用していない場合はクラウドサービスのScrapboxなどを使用して書くと良いでしょう。

電子化によって情報共有することで属人化を防ぐ

電子化

属人化を防ぐ上で重要となる要素の一つが電子化です。電子化とは紙媒体の書類や書籍などの資料をスキャニングしてパソコンやスマホで扱えるデータに加工する作業のことを指します。

業務に関係する書類が紙媒体のままだとバインダーや本棚に収納されていても場所を業務担当者以外は把握しづらいですし、それが情報共有を阻害して業務の属人化を招いてしまうこともあります。

ここでは誠勝のサービスである「そのままスキャン」を使用して紙媒体の書類を電子化することで情報共有に成功した3社のインタビューから一部を抜粋して紹介します。

社内報のアーカイブを全社員が閲覧できるようにし、中身の情報を共有

株式会社WOWOW様では、過去の企画や歴史、当時の施策や会社のビジョンが掲載されている社内報を広報部の棚にバインダーで保管していましたが、それでは広報部の人間しか見ることができないため、社員全員で情報を共有することでデータとして半永久的に残すことで資産化できる電子化を行いました

現在、社内報は社員全員が使用するイントラネットの専用フォルダに格納されていて、社内の誰でもアクセスできる状態になっています。

創刊当時の状況を社員が共有することでCIの醸成に貢献

あしなが育英会様では、1,300ページ以上から成り立つ「交通遺児育英会20年史」という書籍を電子化して共有しています。もともとは3冊しか存在しておらず、共有しにくいため活動の属人化の恐れがありました。「交通遺児育英会20年史」は現在まで続いている「あしなが運動」に関しての歴史が盛り込まれており、過去を振り返るときに使用する辞書の役割を果たすもの。

あしなが育英会様の現在はNPOとして設立した当初と比べると事業のバリエーションも増えたことにより、多くのスタッフが活動しています。人が多いとそれだけ多くの想いがあるため、活動の方向性にブレが発生しないように原点である「交通遺児育英会20年史」を電子化して誰でもアクセスできるようにし、同じ方向を向いて活動できるようにしているのです。

数十年前の開発資料を、現在のスタッフが最新作に活かせる

ゲームフリーク様で電子化して社員で共有しているものは「ポケットモンスター」シリーズの生みの親である田尻智氏が学生時代に作ったミニコミ誌である「ゲームフリーク」や「ポケットモンスター」開発初期の企画書、開発資料などです。もともと紙媒体であるこれらの資料は社内でも閲覧できるよう厳重に保管されていましたが、数十年前の古い資料のため、貸し出しの際はとても神経を使うものでした。

また、社員は開発プロジェクトで忙しい毎日を過ごしており、過去の資料を整理することができずに属人化している部分もありましたが、現在では共有サーバーで誰でも閲覧できるかたちになっているため、最新作に過去のノウハウを活かすことが可能になっています。

そのままスキャンを使用して電子化することで属人化を未然に防ぐことが可能

あなたの会社で業務担当者のみが保持している業務関係の書籍や資料はありませんか?紙媒体でそのまま放置しておくと情報の共有ができず、属人化を促してしまう可能性があります。

デジタルアーカイブ構築のプロである誠勝が提供するそのままスキャンは書類を裁断せずに電子化可能で、ご利用企業数3,000社以上の実績を持ち、書類や書籍の電子化に必須であるOCR処理の精度は校正作業を徹底的に行って完璧に限りなく近いデータに仕上げることが可能です。

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まとめ

まとめ

属人化を全体的に見ると、一部メリットはあるにしろデメリットのほうが多いといえるでしょう。特に属人化した業務の担当者が不在になってしまうと仕事がストップしてしまう点は致命的であるため、リスクを考えると標準化とマニュアル化を行って属人化を排除して誰でも業務を行えるようにすべきです。

属人化を排除もしくは防ぐためには、業務担当者をローテーション制にするか、業務フローを簡易マニュアル化して見える化する方法が無難です。

また、業務に関する資料が書籍や書類で担当者しか持っていない場合はスキャンして電子化して共有サーバーに入れ、誰でもアクセスできるようにすることによって属人化を防ぐことができます。特に規模の小さな企業ほど個人の力に頼って属人化する傾向にあるため、経営者は気をつけておく必要があるでしょう。

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