マイクロフィルムってなに?劣化したらどうすればいいの?

マイクロフィルムってなに?

国立国会図書館をはじめとした図書館や大学などの研究施設、また新聞社、銀行、証券会社などで広く普及してきたマイクロフィルム。日本でマイクロフィルムが利用されるようになって半世紀が経ったいま、そのマイクロフィルムの多くが深刻な問題に直面しています。

それは、経年劣化です。

どんなにフィルムの保存環境に気を付けていても、程度の差こそあれ、フィルムの劣化は避けられません。ましてや通常のオフィスなどで放置されてきたフィルムは、劣化の進行具合も深刻になる例が多く認められます。

劣化したマイクロフィルムはどうなってしまうのでしょう。今回は、マイクロフィルムの基本的な紹介とその保存方法について紹介していきます。

マイクロフィルムってそもそも何?

悩む女性

そもそもマイクロフィルムとは何でしょうか。劣化についてお話する前に、その歴史や種類、使用用途について見ていきましょう。

マイクロフィルムの歴史と特徴

考える女性

マイクロフィルムとは、書籍や文書などの資料を専用のカメラを使って専用のフィルムに縮小撮影したものです。フィルムは原本よりも非常に小さいため、当然肉眼で判読することはできません。専用の機器で拡大表示したり、紙に印刷したりして読みます。

マイクロフィルムの技術は、1839年にイギリスの科学者ジョン・ベンジャミン・ダンサーによって発明されました。本格的に実用化が進むのは1920~30年代のアメリカで、銀行が小切手をマイクロフィルムに複写したり、ニューヨーク公共図書館が資料のマイクロフィルム化を開始したりしてからのこと。日本では戦後、研究者たちの間で海外の文献を活用する方法としてマイクロフィルムが注目され始めました。

マイクロフィルムの特徴は、大量の情報を非常にコンパクトにまとめることができる省スペース性にあります。そのため膨大な資料を保存しなければならない図書館を中心に広く浸透してきました。

もうひとつマイクロフィルムの大きな利点が、100年以上の長期保存に耐えられる耐久性です。これはデジタルデータを保存する光学ディスクよりも圧倒的に長く、記録媒体としてのマイクロフィルムの有効性を表していると言えます。

マイクロフィルムの種類

フィルムの種類

マイクロフィルムは大きく分けて、ロールタイプとシートタイプの二種類があります。

ロールタイプには、35mmロールフィルム16mmロールフィルムがあります。35mmロールフィルムの方は、鮮明な複写ができるという特徴があり、図面や古文書、新聞などの複写に主に用いられています。16mmロールフィルムは、自動コマ検索が可能な専用カートリッジに装着して利用することが一般的で、伝票や帳簿などの複写に適しているタイプです。

シートタイプとしてはマイクロフィッシュがあります。これは105×148mmのシート状のフィルムに数十から数百コマのマイクロ画像を写しこんだもので、学術文献や報告書などの文書を複写する例が多く見られます。もうひとつアパチュアカードというものがあり、これは35mmロールフィルムを1コマずつカットし紙のカードに貼り付けたもので、図書カードのように日付などを記入して管理することができます。図面などを一枚ずつ管理する方法として今も利用されています。

また、マイクロフィルムの支持体には、セルロースエステル(TAC)ベースとポリエステル(PET)ベースという二種類の素材があり、長期保存にはPETベースのフィルムが推奨されています。

マイクロフィルムの劣化

劣化に悩む女性

さて、今現在も幅広い業種で活用されているマイクロフィルムですが、気を付けなければならないのが経年劣化です。

マイクロフィルムは100年を超える耐久性があると先ほど述べました。さらに、適切な保存条件下であれば期待される寿命は500年とも言われています。しかし現実問題として、撮影から30年程度しか経っていないマイクロフィルムでも、劣化による異常が発生するケースが少なくありません。

具体的には、ビネガー・シンドロームと呼ばれる酸っぱい臭いがしてくる、フィルムの表面がべたついてくる、フィルムがうねるように波打つ、白っぽくなったり銀色に変色してしまったりする、といった症状が現れます。最悪の場合、画像の読み取りができなくなってしまうことも

実はマイクロフィルムの長期保存は、

  1. フィルムに用いられている素材が適切
  2. 保存環境(温湿度)が適切
  3. 現像処理に不備がない

という、三つの条件がしっかりと揃っている必要があります。

特に保存環境は重要で、長期保存するためには、TACベースのフィルムであれば温度は21℃以下、相対湿度15~40%、長期保存に適しているとされるPETベースのフィルムでも温度21度以下、相対湿度30~40%を常にキープする必要があるとされています。

フィルム管理専用の収蔵庫を設けているような専門機関以外で、24時間常にこの条件を達成するのは困難と言えます。そのために、マイクロフィルムの経年劣化に悩む声が多いのでしょう。

マイクロフィルムは電子化しよう

電子化のプロ

マイクロフィルムは、デジタルデータを記録する光学ディスクのように、傷や反りなどによってすぐに記録が取り出せなくなるということはありません。それでも劣化が進行してしまうと、部分的な読み取りが困難になることは間違いありません。

この悩ましいマイクロフィルムの劣化の解決方法としては、マイクロフィルムをスキャニングして電子化するという手段があります。

劣化が進む前にデジタルデータに移行しておくのが理想ですが、仮にある程度変色などの劣化症状が進行していても、デジタルデータにすれば補正処理をするという対策も容易になります。そして一度電子化してしまえば、マイクロフィルム本体を頻繁に取り出す必要がなくなるため、安定した環境でそれ以上の劣化を食い止めることも期待できます。

また、マイクロフィルムを電子化すると、パソコン上での検索や閲覧、印刷などをすることができ、データへのアクセスのしやすさという点でもメリットがあります。そのほかにも、複数の人間が同時にデータを見ることができる、かさばるマイクロフィルムリーダーが必要なくなる、など利便性が格段に高まります。

マイクロフィルムの劣化が心配、すでに症状が出てきている、などお悩みの人はぜひマイクロフィルムの電子化をご検討ください。

ただ、電子化と言っても費用や時間が気になるところですね。そのままスキャンでもマイクロフィルムの電子化を実施しておりますので、気になる方はこちらのページからご覧ください

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です