『本を非破壊で電子化する』ってどういう意味?

非破壊スキャナー

非破壊、非裁断、断裁しない、裁断しないなど表現が沢山ある書籍の『非破壊』スキャン。破壊(裁断)しないってどういう意味なんでしょうか。破壊するとして、書籍のどこを壊すというのでしょうか?

そもそも何故、書籍の電子化の為に破壊が必要なのでしょう。今回はそんな基本的な疑問について解説します。

そのままスキャンへ

裁断する=背表紙を切り離す

裁断

これを説明するには、まず電子化に用いられるスキャナーを見ていく必要があります。

コンビニやオフィスに置かれている複合機で書籍をスキャンすると、本を開いた状態で読み取り面に押し付ける必要があります。皆さんも学生時代や社会人になってからも経験があるんじゃないでしょうか。手慣れた方だと実にスムーズなスキャニングをされていますよね。わざわざスキャナーを購入する必要もありませんし、一番楽でコストもかかりません。

しかしいくら強く押し付けてもページの真ん中部分(“ノド”と呼ばれます)まではスキャン出来ず、出来上がったデータを見ると、ノドの部分に大きなが出来てしまうことがあります。書籍によってはページの端までぎっしり文字や写真が書き込まれていることもあるため、この方法では正確な電子書籍を作成することは到底出来ません。無理にギューーーっと押し付けたら裁断せずとも本が壊れる恐れも。笑えません。

またこちらの記事でも紹介していますが、文字の伸びのような作業者の技量に次第で発生してしまうミスも多発しがちです。こればっかりは慣れるしかありませんが、日常的に本をスキャニングする人間なんて我々スキャン代行くらいでしょう(苦笑)。

という訳で、もちろんオリジナルの状態で電子化するのが理想的なのですが、どうしても綺麗で正確なデータにしたい場合は背表紙の部分を切断し、一ページずつバラバラにしてスキャンするという選択肢が出てきます。これがいわゆる破壊、裁断という作業です。
これならノドの影を心配する必要はありませんし、ページを切り離したことでより高速なスキャニングが出来るスキャナーを使用することもOKに。一石二鳥ですね。

裁断したら元には戻りません

悩む

しかし言うまでもなく、一度裁断してしまった背表紙は二度と元に戻りません。原本と同じものが何冊もある書籍ならまだしも、問題は原稿や元データが紛失されている古い書籍や、文化財に指定されているような貴重資料。背表紙を裁断して電子化したはいいものの、その為に世界で一つしかないかも知れない原本が犠牲になってしまうのは悩ましいところです。

ちなみに再製本するという方法がありますし、実際に製本業者さんも沢山いらっしゃいます。但し完璧に直したいならコストは覚悟しなければなりません。最近では大変お安く裁断した本を再製本する手段もあるようですが、『とりあえず読める』程度なので、価値のある書籍や痛みの激しい本には向いていないと推察されます。

だからこそ非破壊で電子化することがとても重要なんですね。

裁断せずに電子化するには?

解決策

何とかして裁断せずに電子化するには専用のスキャナーを使う必要があります。

主にそのままスキャンで使っているのはフラットベッド型呼ばれる系統のスキャナーで、いずれも本を壊す心配はありません。

これを用いると読み取り面に書籍のノドを嵌めることで、影や歪みを抑えたデータとして仕上げることが出来るんですね。もちろん書籍や資料を傷つける必要はありません。

フラッドベッドスキャナー

▲フラッドベッドスキャナー。片ページずつスキャンしていくので無理に広げる必要が無く、本が傷つきません。

他にもオーバーヘッド型という非常に大きなタイプのスキャナーが非破壊での電子化に使われています。書籍の上にアクリルを乗せ、文字通り上に飛び出ているカメラで一枚ずつ撮影するという仕様です。ここまで来ると一般家庭には置けませんね(笑)一般の方がイメージするスキャナーから大きく乖離しているのではないでしょうか…

オーバーヘッドスキャナー

▲そのままスキャンにあるオーバーヘッド型。貴重本の電子化などに使います。顕微鏡みたいな形ですね。

このスキャナーは非破壊でスキャニング出来るのみならず、A4サイズを超えた大判資料や取り扱いに苦慮する貴重資料も対応出来るのが優れたポイントです。

この他にも、アクリル板が本の形に合わせて変形するSFチックなスキャナーなんかを所持しています。そのままスキャンでは様々なスキャナーを所有しており、書籍のタイプや仕様に応じて最適なものを使い分けています。全スキャナーをこちらの記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!

スキャナーがあればOK…ではない?

貴重書

どうしても裁断したくない、一冊しかない資料については、上に紹介したよりプロフェッショナルなスキャナーを使えばそのまま電子化することが出来ます。

ただ、それでも一ページずつめくって丁寧にスキャンしなければならない、一冊電子化するにしても長い時間が掛かってしまうという点は変わりません。その他にも

  • ゴミが入らないようにスキャンしなければならない
  • 効率的に、綺麗に作業したい
  • どの保存形式がベストなのか
  • 破れた箇所やパンチ穴の修正
  • 画面上で見やすい色調の調整が必要
  • そもそも、置き場所が無い

などなど、実際に作業してみると思わぬ壁がどんどん出てくるんです。

関連記事: 自前でスキャンしたら…

ですので、書籍の電子化は私たちのようなデジタルアーカイブのプロに是非任せてください。大事な資料、思い切って裁断する前に(高額スキャナーを買う前に)まずは専門業者に相談してみることをオススメします。もちろん資料によっては勿論物理的な限界があり、弊社スキャナーをもってしても非破壊での電子化が難しいケースも存在します。まずはご発注や見積を取る前にご相談されるのが良いでしょう

相談

今回は書籍電子化の際の『裁断』について解説してきました。自炊一つ見ても奥が深いことがお分かりいただけたでしょうか。裁断のメリット・デメリットをしっかり認識して正しい電子化を心掛けていきたいですね。

そのままスキャンでは破壊/非破壊に圧倒的な実績と豊かなノウハウを持っています。書籍の電子化にお困りの方はお気軽にご相談ください。

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